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兵庫県庁=神戸市中央区下山手通5
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兵庫県庁=神戸市中央区下山手通5

 「AYA(アヤ)世代」と呼ばれる30代までの若年がん患者の治療を支えるため、兵庫県は2020年度、県立の2施設で行う先進医療の陽子線治療について、20~30代を対象に治療費を最大で約216万円減免する方針を固めた。副作用が少なく、生殖機能への影響も小さい治療法だが、成人の大半は保険適用外で約288万円と高額だった。経済的に不安定な若い世代を支援し、県内外を問わず全国の患者に門戸を開く。

 国立がん研究センターなどの調査では、AYA世代に当たる15~39歳のがん患者は全国で約5万8千人。進学や就職、結婚、出産など世代特有の問題を抱え、多くの患者が医療費などの負担で悩んでいる。

 粒子線治療の一つである陽子線治療は、若年患者へのダメージが少ないことなどから2016年、小児がん(20歳未満)で保険適用が認められた。ただ、20歳以上は一部の部位を除いて自費診療となり、治療終了までの複数回の照射代として約288万円が必要となる。

 県内2施設で陽子線治療を行う県は、若い世代の経済的負担を軽減し、治療を受けやすくする対策を検討。保険適用となるまでの間、独自の減免制度を設けることにした。

 陽子線治療を行っているのは、01年設立の「県立粒子線医療センター」(たつの市)と、分院として17年に開設した神戸・ポートアイランドの「神戸陽子線センター」。神戸のセンターには全国初の小児専用の照射室を備える。

 治療費の減免は、この2施設で治療を受けた20~30代が対象。世帯の総所得が210万円以下なら費用の4分の3(約216万円)、600万円以下なら2分の1(約144万円)をそれぞれ減免する。県内外の在住は問わず、全国の患者を受け入れる。

 また、これまで所得制限を設けていた治療費の無利子貸し付けは、制限を撤廃し、年齢に関係なく誰もが利用できるようにする。

 県などによると、国内で粒子線治療ができる施設は県内の2カ所を含めて23カ所(昨年3月時点)。県立粒子線医療センターでは18年度、459人が治療を受けた。神戸陽子線センターは133人が利用し、うち小児がん患者数は44人で全国最多だった。(井関 徹)

【粒子線治療】 放射線治療の一種で、加速させた陽子(水素イオン)や重粒子(炭素イオン)を患部にピンポイントで照射し、がん細胞を狙い撃ちする治療法。従来の放射線治療と比べて周辺の正常な細胞を傷つけにくい利点があり、「夢の治療法」として広まった。

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