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先天性の心臓疾患で医療行為を常に要する女児。感染すれば、重症化しかねない=神戸市内(家族提供)
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先天性の心臓疾患で医療行為を常に要する女児。感染すれば、重症化しかねない=神戸市内(家族提供)

 新型コロナウイルスの感染が拡大する中、日常的に医療行為が必要な子ども「医療的ケア児」をいかに守るかが、焦点の一つになっている。基礎疾患で人工呼吸器の装着が欠かせないケースも多く、感染すれば重症化のリスクが高い上、たん吸引に用いる消毒薬も在庫不足が懸念される。小さな命をつなぐため、家族や病院は物資不足に悩みながらも、感染防止に細心の注意を払う。

 気管を切開したり、人工呼吸器を着けたりしている医療的ケア児の多くは、肺や心臓などに基礎疾患がある。このため肺炎などの呼吸器感染症にかかると、重症化しやすいという。

■自衛

 「頼れるのは病院だけ。感染者が増えて“医療崩壊”に陥るのが怖い」。ケア児の母親(47)=神戸市東灘区=の訴えは切実だ。

 小学3年生の長女(9)は生まれつき患う心臓病で人工呼吸器が欠かせない。また循環機能が不全で肺に水がたまりやすく、1日数回のたん吸引は必須。風邪をひけば、その頻度は1時間数回に増える。

 入院先の病院では、消毒液やマスクの不足を感じている。新型コロナの感染が広がり始めた2月下旬以降、消毒液の置き場所だった入り口に何もなくなり、マスクをしていない看護師も目に付くように。在籍する院内学級も今は休みで、長女は物足りない様子だ。

 家族全員がこまめに手洗いし、外出先の手すりを触らなくなったり、マスクを布で手作りしたり。「感染リスクを減らすため、自分たちで何とかするしかない」と母親は強調する。

■節約

 一方病院側も、物資不足に直面している。兵庫県立こども病院(同市中央区)は、医療スタッフらがケア児のたんを吸引した後に手袋を使い捨てし、マスクを交換するなどの対応で、感染防止を図る。

 ただマスクの備蓄には不安があり、必ずしも医療処置のたびに取り換えられていない。マスクに触れず、もし触れればすぐに手洗いをするなどして節約。1日の消費枚数を通常時の半分程度に抑えている。

 全国医療的ケア児者支援協議会は、政府による一斉休校要請後の3月上旬、全国のケア児家族に緊急アンケートを実施。必要な支援策について、回答者190人のうち最多の6割以上が「マスクや消毒液の提供」と答えた。また、休校で日中の預け先がなくなり、家事育児の負担が増す▽感染リスクのある公共交通機関を通院に使えない-という悩みの声も寄せられている。(佐藤健介)

     ◇     ◇

<医療的ケア児> 医療や福祉などの援助を受けながら、家庭や地域で暮らす病児・障害児。新生児医療の発達で、超未熟児や先天性疾患などのある命が救えるようになり、近年急速に増加している。国推計では全国で約2万人と、ここ10年間でほぼ倍となった。2016年に改正された児童福祉法で初めて明記され、医療や福祉に加え、教育面での支援も自治体の努力義務となっている。

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