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医療機関で電話診療の実施を知らせる張り紙=兵庫県内
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医療機関で電話診療の実施を知らせる張り紙=兵庫県内

 新型コロナウイルスの影響で、持病薬の入手が難しい状況が起こっている。国は感染拡大を防ぐため、対面せずに医師が電話などで診察し、薬を処方できるようにしたが、対象の「慢性疾患」には当たらないとして医療機関に断られるケースがある。他の病院の外来を訪れるにも感染のリスクが懸念され、患者らは「電話診療で処方できる症状の対象枠を広げてほしい」と訴える。(堀内達成)

 「どうしたらいいのか」

 神戸市の自営業男性(57)は頭を抱える。高校2年の次女は、春や秋など季節の変わり目に発症するぜんそくを患っている。3月後半、せきが出始めたため、幼少から通うかかりつけ医院に電話をした。ぜんそくの症状で過去3回ほど、薬を処方してもらったことがあった。

 ところが医院側から「新型コロナによる症状かも」と診察を断られ、市の帰国者・接触者相談センターに電話するよう勧められた。対面での診療が無理ならと、電話診療による薬の処方を頼んだが、「制度対象の慢性疾患に当たらない」と処方箋を出してくれなかったという。

 その後、同センターに電話で状況を説明すると、コロナの疑いは薄いと言われた。他のクリニックにも電話したものの、「せきがある」と伝えると診察を渋られた。大きな総合病院に行くことも頭をよぎったが、「感染リスクを考えると怖くていけない」。

 症状は治まらないまま、薬はまだ手に入っていない。男性はかかりつけ医院の対応に理解を示す一方、「通院歴が複数回あり、同じ症状に対する同じ薬なら処方可能にするなど、柔軟に対応してほしい」と訴える。

     ◇   ◇

 厚生労働省は2月末、持病がある人について、医師が電話やオンラインで診療し、普段使っている薬を処方できるとする事務連絡を、自治体を通じて全国の医療機関に出した。対象は「慢性疾患等を有する定期受診患者」とされている。

 神戸市保健所によると、患者は電話診療で処方してもらえる症状だと考えていたがかなわなかったり、かぜ症状で医療機関から診療を断られたりする相談が寄せられているという。担当者は「処方するかは医師の判断になる。主治医とよく話してほしい」とする。

 医療関係者は「慢性疾患の定義は医師の中でも議論が分かれる。季節性のぜんそくは年によって症状の重さが違い、薬の量が変わるかもしれない。医師も電話だけでは処方しにくいのでは」とみる。

 一方、医療機関が院内感染を恐れて診察を断るケースについて、厚労省担当者は「医師法で定める『診療を拒否する理由』に該当するかどうか見極める必要があり、不適切な対応があれば指導の可能性もある」としている。

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