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 新型コロナウイルス感染症が重症化する要因とされる既往歴には、日本人の国民病といわれる糖尿病も含まれる。世界保健機関(WHO)が中国の感染者を分析したところ、基礎疾患に糖尿病がある人の致死率は基礎疾患のない人の6倍を超え、警戒が必要だ。感染拡大防止策で外出が難しく、自粛ムードによるストレスも懸念される中、糖尿病患者らはどのような療養生活を心がければいいのか。医療機関で糖尿病患者らに栄養指導を行う管理栄養士の坂井敦子さん(49)=兵庫県南あわじ市=にポイントを聞いた。(佐藤健介)

■心構え

 「慢性的なストレスでウイルスを攻撃する細胞などが減少し、免疫機能は低下する。コロナの終息が見えない今、世界中の人々がそうした状況だと考えていい」と懸念。その上で「恐怖や不安といったマイナス要因ではなく、自身の生活習慣を見直し、体調を整える良い機会としてプラス要因に受け止めてはどうか」と発想の転換を促す。

■食事

 主食、主菜、副菜のそろった食事を1日3度、規則正しく摂取するよう求める。特に戒めるのは、ご飯やパン、麺類、小麦などの主食を過度に少なくする糖質(炭水化物)制限だ。

 「コロナで家にいる時間が長いと、運動不足で太るのを気にし、主食を敬遠する人が少なくない。代謝が低下し、かえって太りやすくなる」と警鐘を鳴らす。

 代謝が悪くなる仕組みは、こうだ。体内のブドウ糖が不足すると、体は筋肉(タンパク質)を分解してブドウ糖を作り、エネルギーに変える。筋肉は代謝を主につかさどるため、筋肉量が減るとエネルギーが余り、脂肪となってしまう。

 肥満で血糖値が上がれば血管を傷付け、心臓病や腎臓病などの危険性は大きくなるとされる。毎食ごとの主食量について「150センチ前後の小柄な人なら約150グラム、背の高い人なら約200グラムは必要だ」とアドバイスする。

■運動

 外出を控えると運動不足に陥りがち。先に示したように、筋力と筋肉量の低下に注意を促す。「筋肉量が減ると代謝が低下し、血糖値のコントロールが乱れる」と指摘する。

 「食事で筋肉の基となるタンパク質を毎食きちんと取ることはもちろん、自宅でできるトレーニングにも積極的にチャレンジしてほしい。テレビや動画サイトなどでも筋力を維持できる体操を紹介しているので、参考にしては」と勧める。

■睡眠

 「十分に眠ることに尽きる」と強調。適度な運動と、朝食を含む3度の規則正しい食事で、目覚めている時間とのメリハリをつけることが前提だとする。

 睡眠時間が6時間以下の人は7時間以上の人より感染症の発症率が4倍高い-とする研究結果に触れ、「眠りで分泌が促される成長ホルモンは、免疫細胞を増やすと考えられる。感染症をもたらすコロナから身を守る上でも、良い眠りは有効ではないか」と説く。

 眠りの質をどう高めるか。厚生労働省の指針は、就寝前のカフェインやアルコールは控える▽昼寝は午後3時までに20~30分-といった点を挙げる。一方で、適正な睡眠時間には個人差があり、必ずしもこだわらなくていいという。同指針に沿い、「日中に眠くて困らなければ十分。寝付けなくても、眠くなるのを待って遅い時間に床に就いても良い。ただし、起きる時刻は一定させ、生活リズムを保って」と助言する。

【さかい・あつこ】 1971年生まれ。徳島大大学院博士課程修了。栄養学博士。糖尿病や腎臓病の療養指導を専門とし、食事相談などに関する執筆と講演活動に取り組む。

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