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訪問看護の実情を語る北須磨訪問看護・リハビリセンターの藤田愛所長=神戸市須磨区多井畑
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訪問看護の実情を語る北須磨訪問看護・リハビリセンターの藤田愛所長=神戸市須磨区多井畑

 新型コロナウイルスは病院だけでなく、訪問看護師を送り出す訪問看護ステーションも揺るがす。高齢者や障害者、自宅で持病の療養を続ける人たちが利用しており、感染すると重症化の恐れもある。一方、看護師は防護具が不足する中、感染が否定できない発熱患者を訪問する。感染でステーションの閉鎖が続くと在宅医療が成り立たなくなり、「医療崩壊」の引き金にもなりかねない。訪問看護師を守り、在宅医療をどう支えるか。手探りの取り組みが続く。(上杉順子、中部 剛)

■マスク週1枚

 神戸市内の医療法人に勤務する訪問看護師の女性(50)は、1日に4、5軒、利用者宅を訪ね、病状の観察や床ずれ防止のガーゼ交換、入浴介助などを行う。新型コロナの感染で重症化するリスクが高いとされる高齢者が中心で、末期がんなどで終末期ケアを受けている人や認知症の人も多い。

 「病棟なら感染者が出たら建物を封鎖すればいいが、訪問看護は自分の不注意で地域に広がる怖さがある」。サージカルマスクを常に着用し、利用者宅に入る前後には手指のアルコール消毒を徹底するが、マスクの支給は今も週1枚。女性は「看護師は患者に直接触れる機会が多く、リスクが高い」と防護具の不足を懸念する。

 同市須磨区の北須磨訪問看護・リハビリセンターでも防護具不足は深刻で、訪問先に応じて防護具の代用品でしのいできた。ビニール製のポンチョにゴーグル、ヘアキャップ、シューズカバー、紙タオル。兵庫県内の新規感染者の減少とともに防護具不足は落ち着いてきたが、同センターの藤田愛所長は「走っても走ってもコロナが追い掛けてきた」と振り返り、感染の第2波を懸念する。

■訪問拒否の利用者も

 感染防止に防護具は欠かせないが、マスク、ゴーグル、防護服などの装備で立ち寄れない訪問先もある。藤田所長は「認知症の方は敏感。看護師は平時、マスクを着用していないから怖がってしまう。心を壊さないようにしないといけない。その一方で、訪問先には発熱患者もおり、誰がリスクのある人か分からない」と対応の難しさを語る。

 逆に利用者が、ウイルスを持ち込まれることを恐れ、訪問看護を断るケースもあり、ステーション側からは「経営が厳しくなった」といった声も上がる。また、発熱患者を受け付けないクリニックもあるため、対応に苦慮する看護師も少なくないという。

 藤田所長は医療、行政関係者らに呼び掛け、有志による対策検討会を設置。訪問看護師の支援につながる情報発信や課題解決の方策を検討する。まずは、看護師が携行できる「感染防止の簡易マニュアル」を作成する。

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