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「がんであることを気兼ねせず公表し、協力を得られる環境づくりが必要」と話す堀ちえみさん=大阪市北区、毎日放送(撮影・秋山亮太)
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「がんであることを気兼ねせず公表し、協力を得られる環境づくりが必要」と話す堀ちえみさん=大阪市北区、毎日放送(撮影・秋山亮太)
「第6回ちゃやまちキャンサーフォーラム」で自身の体験について語る堀ちえみさん(左)=大阪市北区、毎日放送(撮影・秋山亮太)
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「第6回ちゃやまちキャンサーフォーラム」で自身の体験について語る堀ちえみさん(左)=大阪市北区、毎日放送(撮影・秋山亮太)

 2019年2月、舌がんであることを公表し、手術を受けた歌手の堀ちえみさん(53)。現在、リハビリを続けながらテレビやラジオの仕事も徐々に再開している。「この病気について、まだまだ誤解も多い」と講演会などで語り、啓発活動にも力を注ぐ。このほど大阪で開かれたがん啓発イベントに参加した堀さんに、今、思うことを聞いた。(片岡達美)

 毎日放送が主催する「第6回ちゃやまちキャンサーフォーラム」のトークセッション「ステージ4でもあきらめないがん治療とは?」に堀さんは登壇し、壮絶な治療経験を語った。

 舌の裏に違和感を覚えたのは18年6月。小さなできもので、最初は口内炎かと思っていたが、どんどんひどくなる。関節リウマチの持病があり、その薬の副作用を疑っていたが、秋ごろには痛みで食事ができないほどに。

 19年1月には舌が見たこともない色になり、自分の唾液が触れるだけで激痛が走る。大学病院を受診すると、舌がんがステージ4まで進行していた。リンパ節への転移も判明した。手術は約12時間に及び、舌の約6割を切除して太ももの組織で再建、リンパ節の腫瘍も取り除いた。

 術後の病理検査でがんは取り切ったと判断され、抗がん剤や放射線治療は行わなかった。その後、ごく初期の食道がんが見つかったが、内視鏡手術で切除。同年5月には主治医から仕事に復帰できると言われた。

 「でも、まだ何をしゃべっているのかわからないような状態で、皆さんを失望させるのではと、私自身、勇気を出せなかった」と堀さん。言語聴覚士の指導を受けてリハビリを続け、ようやく昨年末、テレビ番組「徹子の部屋」の収録を行った(放映は20年1月)。講演依頼も受けることにし、新型コロナウイルスの感染拡大が懸念されるなか、リモート出演などで要望に応えている。

 自宅にいる時間が増えたので、「家事をしながらも『タッタッタッタッ』『ラリラリラリラリ』と言い続けるなど、発音練習をしている」。来年は芸能デビュー40周年でもあり、記念のコンサートを開きたいと、ボイストレーニングも受けている。医学的に実証されているわけではないが、「発声トレーニングは残った舌根を鍛えることにもつながっているんじゃないかな」と自分に言い聞かせる。再建した部分も感触があり、回復を実感しているという。

 食事はゆっくり、よくかんでを心がけるが、「硬いものを、形が残ったままうっかり飲み込んでしまった時が大変」と堀さん。食道の入り口に引っかかり、その場合は「むせないよう、うつむきかげんで水を飲み、流れ落ちるのを待つ」という。

 元気になった自分を見てもらうことで、舌がん患者の励ましになればと、日常生活を自身のブログで紹介。多くの励ましや応援のメッセージが寄せられている一方、「ステージ4の舌がんで、抗がん剤をしないわけがない」「知人はステージ2だったが、食事もままならない。詐病ではないか」といった誹謗(ひぼう)中傷も後を絶たない。出演するテレビ局やイベント主催者への攻撃もある。

 こうした心ない言葉に最初は「せっかく生かされたのに。死んだ方がよかったのか」と落ち込んだが、「これも、舌がんという病気への理解不足からでは。たとえステージ4のがんでも、人によって状況はさまざまで、治療法も回復の過程も異なるということが知られていないから」と思い直し、包み隠さず、全てを公表することに決めた。

 「なぜ私ががんに?」「何か悪いことをした罰だろうか」と悩み苦しんだ時期もあったが、ようやく最近、抜け出すことができた。堀さんは「早期発見・治療すれば決して恐れる病気ではない。生かされた者の使命として、残された人生を啓発活動に役立てたい」と力強く語った。

 堀さんのトークの様子は「ちゃやまちキャンサーフォーラム」のホームページで視聴できる。

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