新型コロナウイルスに感染し、入院待ちとなっている患者への対応が課題となる中、兵庫県姫路市内の民間病院に1日、コロナ専門の病棟が開設された。別館の空きフロアを転用する形で、市も機材の調達や人員確保を支援し、12床の増床につなげた。2日から中等症以下の高齢患者を受け入れる。
姫路市内では第3波の広がりで、医療機関や宿泊療養施設に入れず、自宅で待機する感染者が急増。1月中旬には150人超にまで膨れ上がり、現在も60人前後で推移する。
開設された専用フロアには元々、大部屋が6室あり、昨年12月に市から転用の打診があった。約20床のうち5床ほどが稼働していたが、入院患者が退院するタイミングなどが重なり、フロア全体を空けることができた。病床の間隔を空けるため、ベッド数は計12床(各部屋2床)に減らした。
市は人材派遣会社にも協力を求め、兵庫県内外から看護職11人を確保した。医師免許のある保健所職員も支援に入り、3人態勢で治療に当たる。機材の導入費や施設改修費、人件費などには、国や兵庫県からの補助金約1億円を充てる。
長野市から転居して働く女性看護師(26)は「患者が増えている地域の最前線で役に立ちたいと思った」と動機を話した。(田中宏樹、小林良多)
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