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血液中の酸素濃度を測るパルスオキシメーター。一部で品薄状態となっている
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血液中の酸素濃度を測るパルスオキシメーター。一部で品薄状態となっている
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 新型コロナウイルスに感染し1月上旬に亡くなった70代男性(兵庫県在住)の血中酸素濃度が、県健康福祉事務所のミスで入院先に伝わっていなかったことが、遺族らへの取材で分かった。中等症以上となる低い濃度を示しており、容体は悪化した。同事務所側もミスを認め、遺族に謝罪している。(井川朋宏)

 厚生労働省の基準では、血中酸素濃度が96%未満の場合は中等症以上に当たり、入院が必要とされる。

 男性は昨年11月中旬に発熱し、同月下旬に県内のA病院で受診し、新型コロナの陽性が判明。外見上、深刻な状態ではなかったが、病院で医療機器「パルスオキシメーター」を使って血液中の酸素濃度を測定すると86%だったという。

 担当地域の県健康福祉事務所によると、同病院から男性が感染した発生届を受ける際、口頭で「手指が冷たい状態で測った」という説明とともに、濃度を聞き取った。一般的に指先が冷たいと誤差が出やすいとされるが、報告を受けた職員は、病院に再計測を求めたり、発生届に数値を追記して引き継いだりしなかったという。感染者に関する県の発表では「軽症」扱いとなった。

 同事務所から県の入院コーディネートセンター(CCC)への連絡でも、この濃度は記載されなかった。男性は2日間自宅待機した後、12月初旬に県内のB病院に入院したものの、容体はさらに悪化。同日中に別の感染症指定医療機関へ移ったが、約1カ月後に死亡した。

 同事務所のミスと死亡との因果関係は不明だが、同事務所の担当者は「感染者や濃厚接触者への対応で業務量が多かったとはいえ、血中酸素濃度はCCCに伝えなければならなかった。遺族に申し訳ない」と述べた。

 入院調整を担う県医務課は「個別の案件には答えられない」としつつ、「患者の情報は詳しく把握するようにしており、血中酸素濃度も適切な入院先を決めるための一つの要素」としている。

 遺族は「血中酸素濃度は大切な指標。健康福祉事務所が適切に情報を伝えていれば、速やかに感染症指定医療機関に移れたはず」と悔しさをにじませている。

     ◇     ◇

■血中酸素濃度96~99%が標準/指先で測定、機器活用広がる

 新型コロナウイルス感染者の症状の程度を判断する基準の一つに、指先で測る血液中の酸素濃度がある。自宅療養中の死亡が相次ぐ中、重症化の兆候をつかむ手だてとして活用の動きが広がっている。

 測定機器「パルスオキシメーター」は指先を挿入し、皮膚の上から測定する。日本呼吸器学会(東京)によると、肺や心臓の病気で酸素を体内に取り込む力が落ちてくると下がり、96~99%が標準値とされる。90%以下になると、十分な酸素を全身の臓器に送れていない可能性があるという。

 厚生労働省の新型コロナ診療の手引では、軽症は96%以上、中等症は96%未満とされている。

 全国の自治体では、自宅療養者の健康観察強化のため、機器の貸し出しが広まっている。神戸市では先月、自宅療養の開始に伴い、600台を確保し、病状によって貸し出す方針を示した。

【特集】目で見る兵庫県内の感染状況

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