兵庫県は2023年度の観光客動態調査の結果(速報)を発表しました。県内の観光入り込み客数は22年度比6・8%増の1億2232万人でした。神戸新聞社では、この調査で集客数を申告した約1300件の観光施設やイベントのうち、非公表のものを除く678件をランキングにしました。1回目は県内各地で開かれた「まつり」などイベントのランキングです。(記事末尾に県内イベント138件のランキングを掲載)

 集客数の集計方法は施設やイベントによってばらつきがあり、実態を正確に反映していないケースもあります。また、神戸ルミナリエなど個別に来場者を公表しているイベントであっても、調査に対し「非公表」を前提に回答しているものはランキングに入っていません。

 ランキングのトップは、小野まつり(小野市)の16万人でした。全国各地から訪れるチームの演舞が2日間にわたって繰り広げられ、花火が夜空を焦がす夏の風物詩です。

 23年は8月19、20日に開かれ、目玉の「おの恋おどり」には県内の他、東京や鳥取などから92チーム2700人が参加。地域の外国人らも加わった盆踊りや、5千発の花火大会で盛り上がりました。

華麗な舞で小野まつりを盛り上げた踊り手たち=2023年8月、小野市中島町、小野市役所東駐車場の「きらら会場」特設ステージ

 2位は相生ペーロン祭(相生市)で13万人。播磨に初夏を告げる催しで、竜を模した手こぎ船が速さを競うペーロン競漕(きょうそう)や花火大会で知られます。

 23年は5月27、28日に開かれ、ペーロン競漕には兵庫県内外53チームが参加しました。花火大会は例年より千発多い6千発の花火が観衆を魅了しました。

相生ペーロン祭のメイン、ペーロン競漕(きょうそう)。心を一つに櫂を振るい、ペーロン船を動かす選手たち=2023年5月、相生市の相生湾

 3位は三木金物まつり(三木市)で12万人でした。毎年秋に2日間にわたって開かれ、三木の金物メーカーが一堂に集まる展示直売会やステージイベントで盛り上がります。

 23年は11月4、5日に開かれ、新型コロナウイルス禍を経て4年ぶりの本格開催となりました。直売会にはメーカー56社が出店し、ステージでは和太鼓やダンス、バトンパフォーマンスが披露されました。

左官や大工などの職人たちが逸品を求めて来場した三木金物まつりの金物展示直売会=2023年11月、三木市福井、三木山総合公園総合体育館

 4位は姫路ゆかたまつり(姫路市)の11万3千人。例年は6月22~24日でしたが、コロナ禍の中止を経て4年ぶりの開催となった23年は、家族連れが訪れやすい土日に開かれました。

 かつては暴走族が騒ぐ荒れた祭りでしたが、官民挙げた対策が奏功し、今では城下町を浴衣でそぞろ歩く風流な祭りに戻りました。

姫路ゆかたまつりで、浴衣姿でそぞろ歩きを楽しむ子どもら=2023年6月、姫路市本町

まつり終了後、日付が変わっても駅前をうろつく「徒歩暴走族」の若者たち=2007年6月、JR姫路駅前

 5位は全国陶器市(姫路市)の9万7千人でした。西日本最大級の陶器市とされ、全国の窯元が姫路城下に集結。秋の5日間にわたり、茶わんや湯飲み、小鉢、大皿などの陶器を買い求める人でにぎわいます。

2024年の姫路陶器市。食器を買い求める人でにぎわう美濃焼の店=姫路市本町、大手前公園

兵庫県がまとめた2023年度のイベント集客数(公表分のみ)のベスト5

 県によると、新型コロナの5類移行でイベントの人数上限がなくなったほか、政府の全国旅行支援、JRグループと県などの大型観光事業「兵庫デスティネーションキャンペーン」が影響し、回復傾向が強まりました。