甲冑(かっちゅう)姿の人を駒に見立てた巨大な将棋盤でプロ棋士が対局する「人間将棋 姫路の陣」が1、2日、姫路城三の丸広場(姫路市本町)で開かれた。初日は将棋ファンら約1万人が詰めかけ、約18メートル四方の盤上で繰り広げられた熱戦を見守った。(船田翔太)
姫路ゆかりの戦国武将・黒田官兵衛の「人は殺さず生かす」という哲学が、相手から取った駒も使う将棋のルールに通じることから、姫路市が2015年から開催している。
1日は、武富礼衣女流二段と北村桂香女流二段が、それぞれ東軍と西軍を率いて対局。40人の子どもや大学生が赤と青のよろいを着込んで駒になった。
対局中は「布陣を整えておこう、8七銀じゃ」「この毒まんじゅうは食べたくないのう」と武将さながらの掛け合いを見せ、会場を盛り上げた。元々、同じ大学の先輩後輩の間柄で互いの戦法を心得ており、もつれる展開となった。
武富女流二段は「9九の香が動いておらぬ。足腰は大丈夫か」と終盤まで自軍への気遣いを見せたが、北村女流二段が134手で勝利した。
西軍の歩を務めた東洋大学付属姫路中学校1年、山田昌幸さん(12)は「遠くの桂馬にずっと狙われてる気がして、生きた心地がしなかった。友達がいる西軍に最後まで残れて良かった」と笑顔だった。会場では、ほかにも子ども将棋教室や、お笑いコンビ「空気階段」の鈴木もぐらさんらによる詰め将棋クイズなども開かれ、幅広い世代のファンが満喫していた。

























