建物の前を通り過ぎ、大きな翼を広げて池に降り立った。水面を白と黒に染め上げるひしめきは、国の特別天然記念物コウノトリの集団。ため池が点在する東播磨地域ならではの光景が広がる。
兵庫県立コウノトリの郷公園(豊岡市)によれば、5年ほど前から東播磨での目撃件数が急増。秋のかいぼりで水位が下がり、餌となる魚が捕りやすくなるためで、今年は最大約150羽の集団が目撃されたという。
10月中旬、高砂市や加古川市内のため池では、30羽以上が集結した。大半がまだつがいになっていないとみられる2歳以下で、水中をくちばしで探ったり、大きな魚をくわえたり、羽繕いしたりとさまざまだ。
「昨日はこの倍を見た」「夜はどこにいるのかな」。豊岡での初放鳥から20年、県内外でコウノトリのいる風景が生まれ、地元住民らの関心を集め続けている。(丸山桃奈)

























