兵庫県知事選
6月15日告示 7月2日投開票
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兵庫県への移住相談窓口「カムバックひょうごセンター」=神戸市中央区東川崎町1
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 山あり、海あり、都会あり。550万人が暮らし、「日本の縮図」ともいわれる兵庫は今、どんな姿をしているのだろうか。県知事選の告示は今月15日。巡り来る4年に1度の論戦を前に、過去から現在、全国から県内を見詰めた。

 岡山との県境にある兵庫県佐用町。吉井佑紀(ゆき)さん(27)は昨年5月、大阪府松原市から移り住んだ。高卒後、地元でパート勤務などを続けてきたが、豊かな自然の中での暮らしに憧れていた。同町による非常勤職員「地域おこし協力隊」の募集を知り、ピンときた。

 初めての1人暮らし。「コンビニもあるし、大阪行きの高速バスもある。思っていたほど不便ではないですよ」と笑う。

 だが、現実は厳しい。一昨年、住民1500人が対象の調査で「これからも佐用に住み続けたい」と答えた20代はわずか16%。人口はこの5年で2千人減って約1万7千人。県内41市町で最大の減少率だった。

 協力隊の任期は最長3年。吉井さんはその後も住み続けるつもりだが、将来まで見通すのは難しい。小中学校の統廃合が進み、自らの運転で病院に通う高齢者も。そもそも同世代と接する機会が少ない。若者の定住が必要と分かっていても、手段が見つからない。

 「私も協力隊を終えた後の仕事を探さないと」

        □

 「佐用にきてーな●」「自分らしく生きる、あさご暮らし」…。

 JR神戸駅前の超高層ビル6階。兵庫県が2月に開設した移住相談窓口「カムバックひょうごセンター」には、県内各市町が作ったパンフレットがずらりと並ぶ。相談員が常駐し、「結婚を機に兵庫に戻りたい」などの声も寄せられ始めた。神戸に先立ち、東京に昨年設けた窓口では年間約1200件の相談を受け、15件が移住につながった。

 開設の背景には深刻な人口流出がある。総務省の統計によると、都道府県ごとに転入者数から転出者数を引いた人数で、兵庫は2013年以降、全国でワースト2~5位。人口は上から7位を維持するが、この4年間の転出超過は約2万6千人で、20代が目立つ。

 兵庫は1950~60年代は転入超過でトップ10の常連だったが、70年代半ば以降は転出超過で40位台まで一気に後退。一因はオイルショックとされ、重厚長大産業が盛んだった県内で働く場が減った。当時はワースト1位が東京、2位は大阪だった。

 ただ、バブル景気で再び転入は増加。阪神・淡路大震災発生の95年を除き、90年代は転入超過に戻った。

 迎えた2度目の転出超過は以前と様相が違う。少子化が重なり、兵庫への転入が多かった中四国の住民も首都圏に向かう。大阪へも人が流れる。地域創生を担当する県幹部は現状を「経験したことのない未知の領域」と表現する。

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 出生数は現状維持の年間4万4千人、転入増加は19年度までの5年間で累計2万5700人-。県が掲げる当面の目標だ。60年に目指す「人口450万人」へのステップだが、ハードルは高い。15、16年とも出生数は達成したが、転出超過はともに7千人前後に上り、出だしからつまずいた。

 「人口減少の対策に特効薬はない。まだまだ手探り」と担当幹部。手を打たなければ、60年の人口は366万人にまで落ち込むと推計されている。(田中陽一)

(注)●はハートマーク

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