兵庫県知事選
6月15日告示 7月2日投開票
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来春民営化される神戸空港(手前)と大阪湾岸道路西伸部が計画されるポートアイランド=神戸港沖上空から(撮影・大山伸一郎)
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来春民営化される神戸空港(手前)と大阪湾岸道路西伸部が計画されるポートアイランド=神戸港沖上空から(撮影・大山伸一郎)

 2月の兵庫県議会定例会。知事井戸敏三(71)の口から、久しく聞かれなかったある会議の名が出た。

 「経済界と関係府県市に、『関西3空港懇談会』の再開を働き掛ける」

 懇談会は関西経済連合会(関経連)と兵庫県、神戸市、大阪府・市で2003年に発足。関西、大阪(伊丹)、神戸空港の在り方を協議する場だが、10年を最後に開かれていない。

 井戸は4月の定例会見で、関経連の森詳介会長(当時)に懇談会の再開を申し入れたと明かし、「国も、地元(関経連と関係自治体)で方向付けをすれば、それは尊重したいという意向だ」と国土交通省への根回しもにおわせた。

 懇談会の名は、県や神戸市の一部関係者には苦々しい感情と共に記憶されている。神戸空港を縛る発着回数(1日60回)と運用時間(午前7時~午後10時)の規制は、開港前年の05年11月に開かれた懇談会で国交省が提示し合意された。国際線も認められず、役割分担の名目で関空の発展が優先された。

 市営の神戸空港は来春、運営権売却(コンセッション)で民営化される。本来可能な24時間運用など、井戸がここを規制緩和の好機とみたのは間違いない。

 「空」だけではない。「陸」の高速道路でも長年の懸案が動きだした。

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 神戸沖が関西新空港(現関空)の有力候補地だった1973年。神戸市長宮崎辰雄(故人)は、公害・環境問題への世論の高まりから「神戸沖空港反対」を市長選で掲げ再選し、空港建設地は泉州沖へ動いた。後に宮崎は方針転換し、兵庫県も後押しして一度拒否した空港を国に認めさせたが、あくまで地方空港。規制をのまざるを得なかった。

 その神戸は、今夏に民間の運営権者が決まる。手を挙げたのは関西、大阪(伊丹)の2空港を運営する関西エアポートやオリックスなどの連合のみ。関西3空港の一体経営は確実で、潜在力が抑えられた神戸の規制緩和が現実味を帯びる。

 大阪府知事橋下徹(当時)が「神戸空港は失策」と発言するなど批判的だった大阪にも変化がみえる。大阪市長吉村洋文(41)は運営権売却に関し、ツイッターに「3空港がつながり世界と戦うための戦略的経営ができる」と投稿し、財界からも「24時間空港が(関空と)二つあれば関西発展に資する」との声が上がる。

 建設反対から44年。開港から11年。曲折を経た海上空港を取り巻く潮目は、はっきりと変わりつつある。

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 「播磨は全国屈指のものづくり産業の集積地。地域経済振興につながる」。神戸市西区-兵庫県太子町間の約50キロを結ぶ「播磨臨海地域道路」の効果を兵庫県の担当職員はこう説明する。国土交通省が優先整備区間を決め、今年3月に概略ルートの検討に入った。

 地元市町が整備実現へ協議会を設立したのは1998年。加古川、姫路バイパスの慢性的渋滞が解消されれば、年500億円の経済効果が生まれるとの予測もある。事業化の時期は未定だが、20年来の悲願の前進に関係者が沸く。

 「国土強靱(きょうじん)化」「ミッシングリンク(未整備区間)解消」を掲げる安倍政権の下で進む高速道路整備。国交省が昨春、事業化を決めた「大阪湾岸道路(阪神高速湾岸線)西伸部」の六甲アイランド北(神戸市東灘区)-駒栄(同市長田区)間(14・5キロ)もその一つ。2009年の都市計画決定後は凍結状態だった。

 総事業費5千億円の半額を阪神高速が主に利用者からの料金収入で賄い、県と神戸市も各300億円を負担する方針だ。完成に10年かかるとされるが、全国最悪という阪神高速神戸線の渋滞緩和が見込まれる。

 人口減社会で必要性を疑う声もあるが、県は「交通量は人口だけで決まらない。国内総生産など経済情勢も影響する」と反論する。

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 「人口減社会でも兵庫の活力を維持することが大切。その課題への所見を述べ、県民の理解を深める戦いだ」。5月の会見で選挙戦への抱負を問われた知事井戸敏三(71)が力説した。

 来年7月に発足150年を迎える兵庫県。高度経済成長期で人口も増えていた県政100年の際は、県民会館やこども病院、近代美術館の整備など大型事業が相次いだ。

 「状況は様変わりしたが、節目にふさわしいスタートを切る必要がある」と井戸。18年度は、11年にわたる行財政構造改革も最終年度を迎え、収支不足が解消する計画だ。経費や人員削減に追われた県政も、空港や高速道の大型プロジェクトと歩調を合わせるように新たなとば口に立つ。

 7月2日投開票の知事選では県政史上初の5選を目指す井戸に、元兵庫労連議長の津川知久(ともひさ)(66)、コラムニスト勝谷誠彦(かつや・まさひこ)(56)、前加西市長の中川暢三(ちょうぞう)(61)が挑み、27年ぶりに4人の争いとなる見通し。「兵庫創生」のかじ取り役を決める選挙は2日後の15日に告示を迎える。=敬称略=(黒田勝俊、斉藤正志)

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