「保険適用の拡大で、粒子線治療の可能性も広がった」と語る兵庫県立粒子線医療センターの沖本智昭院長。手にするのは患者を固定する専用器具=たつの市新宮町光都1
「保険適用の拡大で、粒子線治療の可能性も広がった」と語る兵庫県立粒子線医療センターの沖本智昭院長。手にするのは患者を固定する専用器具=たつの市新宮町光都1

 早期発見が困難でその後の治療も簡単ではない膵臓(すいぞう)がん。切除できても再発率が高いため、患者全体の5年相対生存率は10%程度にとどまる。特に厄介な病気だが、昨年春、粒子線治療(陽子線と重粒子線)で公的医療保険を使えるがんに追加され、治療の選択肢が広がった。兵庫県立粒子線医療センター(たつの市)の沖本智昭院長(60)は「個人差があるものの、膵臓がんに粒子線治療は極めて有効。諦めずに病と向き合う方法の一つとして広がれば」と話す。