整備工事が完了した尼崎JR脱線事故の車両保存施設=大阪府吹田市(撮影・丸山桃奈)
整備工事が完了した尼崎JR脱線事故の車両保存施設=大阪府吹田市(撮影・丸山桃奈)

 JR西日本は12日、乗客106人と運転士が死亡した2005年の尼崎JR脱線事故の車両を保存する施設を大阪府吹田市に開館させた。7両編成のうち、損傷が激しく復元困難な1~4両目は部品を並べ、5~7両目は連結した状態で配置。一般向けには原則非公開だが、同日から希望する遺族や負傷者らに施設案内を始める。

 施設はJR西社員研修センターに隣接し、地上1階、地下1階建てで延べ床面積は約3900平方メートル。

 医療や心理関係の専門家の助言を得て展示内容を検討し、地上階に置く車両は1~4両目ごとに座席やつり革、屋根などの部品を整理し、元の位置関係となるように並べる。地下1階は事故現場を再現する空間となり、レールや枕木、電柱、車両が衝突したマンションの一部などの状況を実寸大で伝える。遺族や救助関係者の手記なども備える。

(岩崎昂志)