兵庫県姫路市は10日、大阪・関西万博のオーストリア館で展示されたグランドピアノを購入すると発表した。三大ピアノメーカーの一つ、同国のベーゼンドルファー社製で、世界に16台の限定品。海外から遠隔操作による自動演奏もできる。姫路城と同国ウィーンのシェーンブルン宮殿が姉妹城となった縁で実現した。
ピアノは今年発売され、うち1台が万博で展示された。葛飾北斎の浮世絵「富嶽三十六景」の一つがあしらわれている。
同社の親会社、ヤマハの自動演奏機能を搭載し、千曲以上が無人で奏でられる。同じ遠隔操作機能があるピアノを使えば、ウィーンなど海外のピアニストの演奏を同時進行で再現することも可能という。
市は5月、同国のアレクサンダー・ファンデアベレン大統領らを姫路城に招き、シェーンブルン宮殿との姉妹城提携式を開催。その際に購入の意向をオーストリア側に伝えた。市によると、ピアノの購入には複数の自治体や企業が関心を示していたという。
市は今月、購入費5千万円を計上した一般会計補正予算案を市議会に提出した。市内の企業が文化振興名目で申し出た寄付を財源に充てる。
購入後はアクリエひめじ(同市神屋町)に置き、市民が有料で利用できるようにするほか、イベント時にロビーなどで自動演奏の曲を流す。来年2月22日に開くコンサートで披露する予定。(真鍋 愛)
























