報道陣の取材に応じる国土交通省運輸安全委員会の航空事故調査官=1日午後、神戸市中央区
報道陣の取材に応じる国土交通省運輸安全委員会の航空事故調査官=1日午後、神戸市中央区

 神戸市中央区の神戸空港で5月31日、パイロットらを養成する学校法人ヒラタ学園(堺市)の小型プロペラ機が滑走路に胴体着陸した事故で、国土交通省運輸安全委員会の航空事故調査官3人が1日、空港に隣接する同学園航空事業本部に調査に入った。兵庫県警も航空危険行為処罰法違反容疑で、捜査員約20人態勢で現場検証を実施した。

 事故は5月31日午後2時25分ごろに発生。同学園によると、同機には60代の男性教官と20代の男性訓練生2人が乗り、着陸してすぐ飛び立つ「タッチ・アンド・ゴー」の訓練中だった。けが人や出火はなかったが、滑走路が約5時間閉鎖され、同空港発着の計34便が欠航した。

 調査官は午前9時ごろから夕方まで、搭乗していた3人から事故当時の状況を聞き取り、機体の状態などを確認した。吉田真治調査官によると、事故が起きたのは5回のタッチ・アンド・ゴーを終えた後の着陸時だった。何らかの原因で車輪が出なかったか、出し忘れた可能性があるという。2日も調査を継続する。

 同学園では5月、関西広域連合が運航を委託したドクターヘリで航空法に違反する不適切な整備が発覚。国交省大阪航空局から事業改善命令を受けた。