神戸地裁=神戸市中央区橘通2
神戸地裁=神戸市中央区橘通2

 兵庫県尼崎市内のコンビニで昨年、窃盗容疑で誤認逮捕された60代女性が精神的苦痛を受けたとして、国や兵庫県、コンビニの運営会社に計330万円の損害賠償を求めた訴訟の第1回口頭弁論が8日、神戸地裁であった。国などは請求棄却を求め、争う姿勢を示した。

 訴状などによると、女性は昨年11月30日、勤務するコンビニで釣り銭箱の現金数十万円を盗んだ疑いをかけられ、翌12月1日、尼崎南署に窃盗容疑で逮捕された。その後、現金は店から本部に送金されていたことがわかり、約14時間半後に釈放された。女性は一貫して容疑を否認していた。

 国や県、運営会社が訴えを退けるよう求める一方、女性は意見陳述で、警察や同社などが注意を払えば誤認逮捕は防げたと主張。「夜に眠れなくなり、フラッシュバックを起こすこともある。二度と同じような思いをする人をつくらないでほしい」と述べた。