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 公職者や地域団体からの働きかけを記録、公開するよう定めた神戸市のコンプライアンス(法令順守)条例で、市議の「不当要求」が初めて認定された。市への要望や提言と、不当な要求はどう線引きされるのか。市幹部への取材からは、施策を進めたい市当局と、議決権を持つ議員との力関係が垣間見える。

 2007年に同条例が施行されたきっかけは、06年に起きた現職市議の親子2人によるあっせん収賄事件だった。市資源リサイクルセンターの管理・運営を巡り「予算を通さない」などと圧力をかけ、当局に方針変更を迫ったとされる。条例化の背景には、不当な口利きに屈し、行政をゆがめられたとする反省がある。