台風10号の影響で、気象庁などによると兵庫県内では29日夜、南あわじ市に線状降水帯が発生し、同市の南淡で1時間に約110ミリの猛烈な雨を観測した。記録的短時間大雨情報が発表され、市内全域の2万12世帯、4万4042人に避難指示、土砂災害警戒情報が出された。
同市や南あわじ署によると、午後9時20分時点で人的被害の報告はないという。市職員が24カ所の避難所の開設を始め、少なくとも広田地区で1人が避難所に身を寄せた。関西電力送配電によると、同市内で770軒の停電が発生した。
県は災害発生の危険度が高まったとして、災害警戒本部を県災害対策センターに設置した。洲本市にも土砂災害警戒情報が発表された。同市は五色町鳥飼地区の842世帯、1714人に避難指示を出した。
神戸地方気象台によると、同日夕に徳島県と香川県で線状降水帯が発生。台風が紀伊水道と鳴門海峡の湿った空気を集めて、兵庫県内上空で雲が発達したという。