冷たくなった川の水に打ち付けられるコウゾ=20日午前、兵庫県多可町加美区鳥羽(撮影・長嶺麻子)
冷たくなった川の水に打ち付けられるコウゾ=20日午前、兵庫県多可町加美区鳥羽(撮影・長嶺麻子)

 20日は一年で最も厳寒の頃とされる二十四節気の「大寒」。県内各地は3月並みの陽気となったが、兵庫県多可町の杉原川では、和紙の原料となるコウゾの白皮の川さらしが本格化している。雪解け水が注ぐ冷たい流れに樹皮を浸し、寒風にさらす作業は冬の風物詩として知られ、3月いっぱいまで続く。

 千年超の歴史が伝わる杉原紙は大正末期に途絶えたが、1970年に復活。町内で育てたコウゾを昔ながらの技法で加工し、近年は障子紙やランプシェードなどインテリアでも重宝されている。

 一帯の最低気温は氷点下になる日が多いが、20日朝は西脇市で3・5度と3月下旬並みとなった。(長嶺麻子)