今夏の参院選を前に、党勢が退潮傾向にある公明党が焦りを募らせている。昨秋の衆院選では、地盤とする関西の小選挙区で兵庫の2議席を死守したものの、大阪の4議席を日本維新の会に奪われ、敗北ムードが漂った。参院選で現職がいる兵庫選挙区を落とせば、ダメージは計り知れない。党は兵庫を「最重点区」の一つに指定し、議員や党員が総がかりで票の掘り起こしに懸命だ。
「来月の決戦は、大変厳しい選挙戦になる。お力をお借りしたい」
今月15日、神戸・三宮であった現職参院議員の街頭演説会で、公明幹部が声を張り上げた。選挙日程も決まっていない時期にもかかわらず、県内外の支持者が路上を埋めた。
公明の党勢の陰りは、指標となる比例票の推移を見れば明白だ。2016年参院選は全国で757万票、県内で37万票を獲得したが、22年参院選ではそれぞれ、618万票と29万票まで減少。24年衆院選では、初めて全国で600万票を割り込んだ。