神戸市北区の特定抗争指定暴力団神戸山口組の組長宅で1月に起きた火災で、建造物等以外放火と銃刀法違反(加重所持、実包所持)などの罪に問われた浜松市の無職の男(75)の論告求刑公判が19日、神戸地裁であり、検察側は懲役10年と拳銃1丁などの没収を求刑。弁護側は執行猶予付き判決を求めて結審した。判決は11月14日。
検察側は論告で、かつて対立関係にあった暴力団の組長を殺害しようとした「暴力団特有の反社会的論理に基づく」犯行だと指摘。車への放火はガソリンに引火して爆発するおそれがあり、多数の生命に脅威を及ぼすものだったとした。
弁護側は、被告が組長方に侵入し車に火をつけたことは認めた一方、現場で試し撃ちに失敗したことなどから、所持していたとされる拳銃は使用不能で「銃刀法違反の事実はない」と一部無罪を主張した。
起訴状によると、1月19日午後6時半ごろ、神戸市北区鈴蘭台東町9の井上邦雄組長宅の敷地に侵入。ガソリンをまいて火をつけ、車2台を焼いたほか、拳銃1丁と適合する銃弾2発を所持したなどとされる。