情報の不正持ち出し事案で記者会見する日本生命保険の赤堀直樹副社長=12日午後、東京都千代田区
 情報の不正持ち出し事案で記者会見する日本生命保険の赤堀直樹副社長=12日午後、東京都千代田区

 日本生命保険は12日、社員出向先の販売代理店である銀行などから社外秘資料などの情報を不正に持ち出す事案が、2019年5月~25年2月に604件あったとの社内調査結果を発表した。対象は7代理店としており、三菱UFJ銀行などが含まれるとみられる。不正競争防止法が禁じる「営業秘密保護の趣旨に照らして適切ではなかった」と判断した。

 不正取得したのは、銀行などの保険販売に関する業績、他の生命保険会社の商品情報など。日生関係者による明示的な指示は認められなかったという。出向者は自らの評価につながると期待し、情報を持ち出したと説明している。

 日生の赤堀直樹副社長は12日の記者会見で「関係者にご心配とご迷惑をおかけし、深くおわび申し上げる」と謝罪した。

 日生は、三菱UFJ銀行からの持ち出しを7月に外部からの指摘で把握。金融庁からの報告徴求命令を受け8月に調査内容を報告したが、内容を公表していなかった。