看護師の名義を借り、人員基準を満たしたように装って不正に事業所の指定を受けていたとして、さいたま市は14日、市内の訪問看護ステーションを同日付で指定取り消しとする行政処分を発表した。関係者によると、契約していた福祉の経営コンサルタントがステーションに対し、別の県で働く看護師の名義を貸していた。
指定取り消しとなったのは、一般社団法人「onehand」が運営する訪問看護ステーション「Arche(アーチェ)」。
市や関係者によると、訪問看護ステーションの開設には常勤換算で看護職員2・5人の配置が必要だが、同法人は福祉コンサルが運営する山形県と静岡県のステーションから看護師の名義を借り、人員基準を満たしたように偽装。昨年4月の開設以降、市が立ち入り検査に入った今年7月まで基準違反の状態で運営していた。
市によると、法人側は名義借りを否定する一方、「Arche」の廃止予定を9月中旬に届け出。市は処分を逃れようとする意図があったとみている。