核兵器廃絶を目指す科学者らの国際組織「パグウォッシュ会議」世界大会が開かれている広島市で4日、パレスチナ自治政府のキドワ元外相とイスラエルのオルメルト元首相が共に共同通信などのインタビューに応じた。オルメルト氏は「和平は敵との間でのみ成り立つ。双方が重いトラウマを乗り越えなくてはいけない」とし、キドワ氏は「忍耐と努力があれば必ず実現する」と訴えた。
紛争が続くイスラエルとパレスチナの元閣僚が、被爆地で解決に向けた対話を促した形だ。
2人は、パレスチナ国家樹立によるイスラエルとの「2国家共存」が唯一の解決策だと強調した。オルメルト氏は「多くの人が殺されたが、中東の未来を痛ましい記憶に縛り付けてはいけない」と指摘。キドワ氏は「現地の人々は今は復讐心に満ち、平和について語る機運はない。だが戦争が完全に終われば、子どもたちの未来のために前向きな変化が期待できる」と語った。
オルメルト氏は2006~09年に首相を務めた。キドワ氏はパレスチナの国連代表を経て05~06年外相。
























