ストックホルム近郊のウプサラ大で講演する坂口志文さん=13日(共同)
 ストックホルム近郊のウプサラ大で講演する坂口志文さん=13日(共同)

 【ウプサラ(スウェーデン)共同】ノーベル生理学・医学賞を受賞した坂口志文大阪大特任教授(74)が13日、ストックホルム近郊のウプサラ大で約300人を前に講演し、過剰な免疫反応を抑える「制御性T細胞」の研究成果を紹介した。参加した大学生の質問にも応じ、現地での交流を深めた。

 坂口さんは、自己免疫疾患やがんでは免疫のコントロールがうまくいかないことに触れ「制御性T細胞を増やしたり、減らしたりすることで治療ができる」と説明。「研究は自己免疫疾患の原因解明と治療につながるのか」との学生の質問には、「原因は患者によってさまざま」と回答。「(どのような背景があるかにかかわらず)子どもの自己免疫疾患が起こらないようにするのが目標だ」と丁寧に答えた。

 ウプサラ大は1477年に創立された北欧最古の大学で、首都ストックホルムから約80キロ北にある。例年、受賞者を講演に招いている。化学賞の北川進京都大特別教授(74)も講演を予定していたが、休養のため見送った。