記者会見する江蔵智さん=18日午前、東京都内
 記者会見する江蔵智さん=18日午前、東京都内

 東京都立墨田産院(閉院)で1958年の出生直後、他の新生児と取り違えられた江蔵智さん(68)が18日、出自に関する調査義務を履行するよう都に求める「間接強制」を東京地裁に申し立てた。文書送付による調査依頼に協力しないとした人を除く対象者らについて、都の担当者による戸別訪問を要求する内容。

 記者会見した江蔵さんは「どのくらいの時間がかかるか分からないが、親捜し(をしたい)という部分では何の変化もない」と心境を明かした。調査依頼の文書を受け取った対象者について「悩んでいる方もいると思う」とし、趣旨の丁寧な説明が必要との認識を示した。

 申し立てが認められた場合、都が決定に応じなければ制裁として「間接強制金」が科される。

 東京地裁は昨年4月、都に調査を命じる判決を出した。都の担当者は今年3月末、生みの親を見つけられなかったとする報告書を江蔵さんに手渡し「対象者へのさらなる働きかけは難しい」と伝えた。

 江蔵さん側は戸別訪問調査を求めたが、都は5月、対象者の心情への配慮などを理由に実施しない方針を示していた。