愛知県豊橋市が臨海部に建設する方針の野球場を巡り、予定地が大地震で津波が襲来し利用者の生命に危険が及ぶ場所だとして、市民225人が17日、長坂尚登市長に関連事業費約7億円を含む公金支出の差し止めを求めて名古屋地裁に提訴した。市は予定地を、高台などへの避難が間に合わない「特定避難困難地域」に指定している。

 訴状によると、予定地は三河湾に面した干拓地で地盤が弱く、津波に加えて液状化の危険もある。南海トラフ地震のような巨大地震が発生した場合、利用する住民の生命や身体に危険が伴う可能性が高いとしている。

 市は内陸側の公園に多目的屋内施設を整備するため、園内にあった野球場を取り壊し、臨海部で新設する方針。2026年度予算に造成費など約7億円を計上している。

 原告代表の鈴木正広さん(77)は「複合災害が起きる恐れがある場所になぜ造るのか。市民は大きな不安を抱えている」と訴えた。長坂市長は「引き続き、安全で市民が利用しやすい公園整備に努めてまいります」とのコメントを出した。