黒電話の前で作家の田辺聖子さんが興味津々の面持ちで話している写真がある。1971(昭和46)年6月23日付の本紙夕刊1面の「電話でどうぞ こちら編集局長」。電話投稿欄「イイミミ」が始まったのが同年3月3日の耳の日。その3カ月後、一日局長を委嘱された田辺さんが受話器を握った。「イイミミの受け手もかなりのやさしい人でなくては務まらない。話の内容、人生の複雑さ、その多彩さにあらためて気付かされることも多かったんです」