神戸新聞NEXT

 サッカー・Jリーグ1部(J1)のヴィッセル神戸が、3シーズンぶりに国内無冠に終わった。リーグ戦は3連覇の可能性が消滅し、2年連続優勝が懸かっていた天皇杯全日本選手権も22日の決勝で完敗した。昨季はリーグ連覇、天皇杯2度目の優勝と隆盛を誇った「常勝神戸」が曲がり角を迎えている。

 今季のリーグ戦は開幕ダッシュに失敗したものの、徐々に調子を上げ、7月には一時首位に躍り出た。夏場にかけて覇権争いに割って入ったのは昨年同様だ。ゴールキーパーの前川黛也選手、DFの山川哲史主将を中心とした堅実な守備もあり、着実に勝ち点を積み上げた。

 一方、優勝を狙うための課題も浮き彫りになった。首位鹿島アントラーズと勝ち点4差で迎えた10月4日の浦和レッズ戦で苦杯を喫した。続く鹿島との大一番も勝ち切れず、翌週の最下位アルビレックス新潟戦は痛恨の引き分けに終わった。シーズン終盤の正念場となる試合での取りこぼしの多さが響いた格好だ。天皇杯の決勝も初優勝を目指すFC町田ゼルビアの勢いにのまれ、敗退した。

 チームは昨季に続いて海外クラブと争うアジア・チャンピオンズリーグ・エリート(ACLE)への参戦による過密日程に悩まされた。疲労の蓄積は否めず、前年MVPの武藤嘉紀選手が腰の手術で長期離脱をし、エースの大迫勇也選手も故障で年間を通じて戦えなかった。1人復帰しても、違う誰かが離脱するという事態を繰り返した。

 チーム強化に欠かせない条件は選手層を厚くすることだ。武藤選手は33歳、大迫選手は35歳、守備の要・酒井高徳(ごうとく)選手も34歳と連覇を支えた主力はベテランの域に入る。若手がレギュラーを押しのけるレベルには至らなかった。常に優勝争いに加わるには新たな選手の台頭が待たれる。若手の育成とともに積極的な補強も必要ではないか。

 Jリーグは2026~27年シーズンから、8月開幕の秋春制に移行する。26年の前半は「特別大会」として、J1クラブが東西に分かれて争う。アジア制覇に挑むACLEの戦いも続く。覇権奪還へ、サポーターの期待に応える圧倒的な戦いぶりを見せてほしい。