投稿コーナー「私も生きヘタ?」
「休職と復職」について兵庫県在住「30ちゃん」さん(40代女性)に聞きました
生きづらさについて考える「生きるのヘタ会? てんてん×神戸新聞」の11月は「休職と復職」がテーマです。兵庫県の会社員「30ちゃん」さん(40代女性)は、すぐに怒鳴る上司の存在に傷つき、体調を崩しました。不安症と診断され、1年半休んだ後、復帰した「30ちゃん」さんに話を聞きました。
-職場で何が?
「製造業の会社で、瞬間湯沸かし器のような男性上司がいました。私が働き始めた10年以上前からずっと、その上司は理不尽に怒鳴っていました。自分が怒られていなくても、他の人が怒られているのを聞くのが悲しく、つらかった。『いつものことや』と思える人もいますが、私は自分が言われたかのようにグサッときていました」
-体調にどんな変化が?
「私はそれまで『自分は強い』『いろんなことを乗り越えてきた』と思っていたんです。上司のことも10年近く我慢してきましたし、職場では言われたことは断らず、ニコニコと明るい自分でいました。でも3年半ほど前、朝になると頭痛と吐き気で気持ちが悪く、トイレから出られなくなることが続きました」
「内科では風邪だと言われましたが、主人の勧めで精神科を受診すると、すぐに不安症と診断され、『休みなさい』と医師に言われました。『まさか自分が』と思いましたが、その時はほっとしたのを覚えています」
-休職中は?
「家にいる時は『あれは何やったんやろう?』というぐらい頭痛も吐き気もありません。月1回、精神科を受診しつつ、家事や子育て、ウオーキングをしたり、花を育てたりしていました」
「『社会から取り残されている』『家族や会社に迷惑をかけている』という気持ちになり、いろいろ考えて眠れないこともありました。でも、会社の総務担当者の『制度があるんだから堂々と』の言葉もあり、心身を休めることにしました」
-復帰は?
「怒鳴る上司は、既に退いていました。復帰の日、職場のみんなは普通に迎えてくれました。腫れ物にさわるふうでなく、あれこれ聞くでもなく、いつものあいさつをして、冗談を言って笑って。机もそのまま。初めの1カ月は半日、その後は午後3時まで、さらに定時までと勤務時間を延ばしていきました。仕事を助けてくれる上司や後輩に感謝し、今は働くことが楽しいです」
「この夏で復帰して2年になりましたが、不安症の症状は出ていません。休むことは大事だとあらためて思います。休みやすい世の中になってほしいと思います」(聞き手・中島摩子)