「自分で自分を褒めたい」。今大会ゲストの有森裕子さんが五輪で銅メダルを獲得した際のコメントだが、まさにそんな気分。メダリストと自分を重ねるのがおこがましいのは百も承知。それでも、言いたい。
大会前、マラソン初挑戦の心得をまとめた「運動音痴の42・195キロ」を連載した。だが、正直に打ち明ければ、練習は8月下旬から全9回、計66キロ。練習の裏打ちがないため「目指すは完走のみ!」と目標タイムを設定せず大会に臨んだ。
半ば意地で、歩かずに走り続けた。ポートアイランドに入ったころから、にわかに「6時間切りできるのでは」と欲が顔を出した。
ゴール目前。苦しくて涙目で、息も上がる中、沿道から手を差し伸べてハイタッチをしてくれる人、人、人。結果、タイムは5時間59分12秒(速報値)。まさかの6時間切りを達成できた。最後まで沿道に支えられたレース。応援、ありがとうございました。(小尾絵生)