キャバクラや大人のお店に務めるきっかけとして「スカウトマンに誘われたから」と答える夜職女子は多いはず。しかし昨今では、風俗店からスカウトマンに紹介料を支払うことが禁止になっています。これまで強引なスカウトなどで問題となっていたスカウトマンですが、彼の存在が無ければスターが登場していなかったのも事実です。
そこでこれまで多くの女性たちをスカウトした経験を持つスカウトマンだった経験を経て、現在は芸能関係の会社を複数経営するYさんに話を聞きました。
■デビューを促すには、まず信頼関係を作ること
「今はやる気ある子が志願する時代だけどオレの時はそうじゃなかったし、現代でもハイレベルな子はV(AVの略)誘っても最初はええ~って渋るから、うまくやるのがこっちの仕事。メリットだけ並べても食いつくわけがないから、ちょっとずつ誘導するの」
こう語るYさんはタレントのマネージャー経験もあり、業界の大ベテランです。昔は“高収入”という謳い文句だけで靡く女性が多かったものの、今は夜職ブームも影響して「最初からお金を持っている子」が増えたため、お金以外の旨味がなければ首を縦に振ってもらえません。彼女たちのOKを出すにはメリットを提示するだけでは足りず、信頼関係を構築するという根底の部分から作り上げていくのが肝心だそう。
「ただ紹介するだけなら誰にでもできるわけ。でもトップクラスになるであろうダイヤの原石を捕まえるなら、絶対に時間がかかる。綺麗な子は誰もがほしがるからあちこちで声かかってるし、プライドも高いからね。
撃ち落とすには信頼関係がまず基本で、オレと動くことに良さを見出させる。プラス、居心地の良さを演出するとだいたいは懐いてくるかな。美人は警戒心が強いけど、そのぶん寂しい思いをしてる子が多いから懐に入り込めたら勝算が見込める」
距離感を縮めて信頼を得るのが絶対条件だと語るYさん。しかし“色恋”とは大きく異なり、あくまで仕事のパートナーとして近づくのがコツ。男女の関係になると面倒事が起きやすく、別れた瞬間に全てが崩れる恐れがあるため、線引きは重要です。
「昔は彼女を(業界に)送り込むとかやってたけど、モメたり別れると辞める!って騒がれるからさ。甘い言葉吐いて囲うのは絶対やらないよ、将来性ないからね」
■冗談が言えるようになれば勝ち?オトす期間は……
信頼関係が構築され、お互いがリラックスして話せるようになってからがようやく本番。冗談を言う、からかってイジるなどでYさんは一気に距離を詰めると言いました。
「イジるのって相手を試す行為でもあるわけ。ここですぐブチギレたり、機嫌を悪くするようなタイプだったら様子見か、最悪リリースする。気難しい子は扱いづらいし、笑い飛ばせるくらいの子じゃないと現場での対応が悪い可能性も高いんだよ」
時に自己肯定感を下げさせるのも、テクニックの一種。少し危険ではあるものの、王道的な方法が使えない時はリスクを冒すことも考えるそうです。
「自己肯定を下げさせるといっても、過度に下げるのはダメよ。でもわざと“太った?”とか、服のシワがあったら“家事もやらないの?モテないよ”って突っ込んで、ジワジワと自分はダメかもって思う不安のタネを植え込んでいくと誰かに頼りたくなるから、そこを狙う。
オレがよくやったのは郵便ポストに雑誌とかお土産入れといたよ~って伝えた後、“郵便物めっちゃ入ってなかった?大雑把なの?”って言うヤツ。例えポストの中が空っぽでもアレ?って思わせるんだよ。もしめちゃくちゃだったらドキッとするでしょ、女なのに部屋が汚いのと同等の弱みっていうかさ。もしハズしたら“あれ?別の部屋のポストに入れちゃったかな?”ってとぼける(笑)こういうのの積み重ねで自己肯定を少し下げて、弱みを握りつつコントールするとうまくいきやすい」
淡々と話す姿に軽い恐怖を覚えたけれど(苦笑)あまりの仕事人っぷりには脱帽。女性に決心させるためには、細かい部分にまで気を払わねば成功に辿り着けません。綿密な計画と根気強さが、何よりの“肝”なんだそうです。小手先のテクニックだけでは通用しないのでしょうね。
愚問だとは思いながらも「罪悪感を覚えたことはありますか」と聞きました。するとYさんは「え?本人も最後は承諾してるのに、こっちが悪いなんてどうして思わなきゃならないの」と軽く怒られてしまいました。
ワンランク高い女性を支えるには、担当者はさらにその上をいく必要があるということ。悪用は厳禁ですが、彼が言うところのコントロール方法は様々な経験を経て培ったものですから、全てに適用せずとも一部ではとても有効的でしょう。
◆たかなし亜妖(たかなし・あや)
元セクシー女優のシナリオライター・フリーライター。2016年に女優デビュー後、2018年半ばに引退。ゲーム会社のシナリオ担当をしながらライターとしての修業を積み、のちに独立。現在は企画系ライターとしてあらゆるメディアで活躍中。
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