“羨ましい亡くなり方”がSNS上で大きな注目を集めている。
「私の曽祖父は、いわば“羨ましい亡くなり方”をしました。
ある日、縁側で友人と碁を打っていた曽祖父。次の手をじっくり考えている間に、ぽっくり亡くなってしまったのです。
対戦相手の方は『えらい長く悩んどるなあ』と思っていたら、まさか死んどるとは…。びっくりされたでしょうね。
対戦相手の方には申し訳ないですが、正直、ええ死に方やな…とも思ってしまいました。」
と自身の曾祖父の臨終の際のエピソードを紹介したのは漫画家のかんさびさん(@kansabi_kk)。
友人と囲碁をしながら、日常の延長の中で亡くなったかんさびさんの曾祖父。病気やけがで苦しみながら亡くなる人も多い中、こんな風に人生の最期を迎えられることを羨ましいと思う人は多いかもしれない。
かんさびさんにお話を聞いた。
ーー曾祖父さまはどんな方だったのでしょうか?
かんさび:私が生まれる前に亡くなったので母から聞いた話ですが、曽祖父は養鶏組合の組合長を務め、人と関わることや人をまとめることが好きな、親分肌の人物だったそうです。俳句も好んでおり、趣味を大事にする一面もあったようです。亡くなったのは67歳で、まだ少し早い印象です。
ーー曾祖父さまの死去時について、あらためて思うことを。
かんさび:死因は脳溢血で、母含め家族は大変驚いたそうです。ただ、当時は警察が介入するようなこともなく、そのままお葬式となったと聞いています。ご近所でもその亡くなり方は話題になったそうです。本人は苦しまずに旅立ったと思われますが、67歳という若さでしたので、曽祖母は大変嘆いていたそうです。
ーー投稿に大きな反響が寄せられました。
かんさび:「亡くなり方」というのは普段あまり意識するものではありませんが、人間だれしもが迎えるものですので、たくさんの方が関心を示されたのも納得できます。私もこの話を聞いたときはいいなあと思ってしまいました。この碁盤は今も大事に飾ってあり、それを見るたびにこの話を思い出して、徳を積んで私も安らかな最期を迎えたい、と思ってしまいます。
◇ ◇
SNSユーザー達から
「好きなことを楽しんでいる最中に眠るように旅立たれるなんて本当に奇跡としか言いようがありませんね 本当に羨ましい最期だと思います」
「知人のおばあちゃん、お化粧して着物を着てお祭りで踊りを披露して帰ってきて『あぁ~楽しかったぁ!!』とソファに座った途端そのまま眠るように亡くなったそうです。葬儀では『どんな徳を積んだらあんな風に逝けるのだろう?』という話題で持ちきりだったとか。」
「病院でたくさんの管につながれて治療をやめてくれと1カ月言い続けた父の最後より羨ましいです 無駄な延命治療はほんとやめてほしい こういう自然な終わり方でありたい」
など数々の共感の声が寄せられた今回の投稿。読者のみなさんは人生の最期をどのように迎えたいと思うだろうか。
なお今回の話題を提供してくれたかんさびさんはXやInstagramを中心に日本の伝統や昔話をベースにした漫画を発表している。ご興味ある方はぜひチェックしていただきたい。
(まいどなニュース特約・中将 タカノリ)