高校の卒業式の朝、着物姿の母親6人が並んで歩く後ろ姿の写真がThreadsに投稿されました。淡いピンクや薄紫、クリーム色の着物がグラデーションのように並ぶその一枚に、4万件を超えるいいねが集まっています。6人全員の着付けを手がけたのは、日本舞踊「彩の会」を主宰する三彩さん(@san.sai0907)です。
写真に収められたのは、卒業式に向かう6人の母親が横一列に並んだ後ろ姿です。淡い色味の無地や付下げ、訪問着がゆるやかなグラデーションのように並び、統一感がありながらもそれぞれの個性が感じられる一枚になっています。
きっかけは、三彩さんがママ友に「着物を着ない?」と声をかけたことでした。子どもの小学校、中学校の卒業式でも、その時々につながりのある母親たちを誘って着付けを手伝ってきたといい、高校の卒業式でも自然な流れで声をかけたそうです。普段から着物を着る仕事をしていることを周囲も知っており、息子の野球の試合にも稽古の合間に着物姿で足を運んでいたことから、「三彩さんに頼めば大丈夫」という安心感もあったといいます。
声をかけた当初は「着物がない」「何をそろえればいいか分からない」といった不安の声もありました。三彩さんはネットレンタルやリサイクル着物店を紹介したり、手持ちの着物を写真で確認して卒業式に合うものを一緒に選んだり、不足する小物は自身の予備を貸し出したりと、一人ひとりの状況に合わせてサポートしたそうです。
当日は朝6時45分から、15分刻みで1人ずつ着付けを進めました。途中からは着付けのできるママ友も加わり、三彩さんはヘアセットやメイクも担当。着終わった人から順に学校へ向かい、最後に自身も着替えて卒業式に駆けつけたといいます。
投稿には一部「目立ちたがり」といった声もありましたが、「後ろ姿が美しい」「わたしもこれを目指そう」と好意的な反応が多く寄せられました。和裁をしていた祖母を思い出したという人や、次の卒業式では自分も着物を着たいと背中を押された人もいたといいます。
三彩さんが卒業式という場で着物を勧めるのには理由があります。日本舞踊や着物は格調高く見える一方で、敷居が高いと感じる人も少なくありません。だからこそ、卒業式のような身近な場面で触れる機会を増やしたいと考えているそうです。
「着物を着てみたいなと思う人が少しでも増えて、日本の文化の素晴らしさを身近に感じてもらえたらうれしいです」






















