これはなに!? デストロイヤーという品種だそう=群馬の25歳農家ぶんばい(AYUMI FARM TAKASAKI)さん提供
これはなに!? デストロイヤーという品種だそう=群馬の25歳農家ぶんばい(AYUMI FARM TAKASAKI)さん提供

真っ赤なじゃがいもが、SNS上で大きな注目を集めている。

きっかけになったのは、群馬の25歳農家ぶんばい(AYUMI FARM TAKASAKI)さん(@bunbunmappi)の「正直、ちょっと落ち込んでます。群馬で農家をやってる25歳です。自信満々で出荷したじゃがいも達が、 結構売れ残ってしまって…」という投稿。

ぶんばいさんが栽培したのは「デストロイヤー」「ノーザンルビー」という品種のじゃがいも。栗やサツマイモみたいに甘く、 ホクホクねっとりした上質なものだということだが、見た目のせいかあまり受け入れられなかったようだ。

ぶんばいさんに、お話を聞いた。

--これらの品種を栽培された経緯は?

ぶんばい:根底にあるのは「農業のリアルをエンタメ化して、多くの人がこの業界にフォーカスしてくれる社会にしたい」という思いです。私自身の性格として、とにかく「心が躍る、ワクワクする方」を選びがちというのもあります(笑)。

デストロイヤーは覆面レスラーのような奇抜な見た目ですが、実は芋好きの間で「ナンバー1」との呼び声も高いほどおいしい。世間にはあまり認知されていませんが、そこが「面白い!」と思いました。ノーザンルビーは中身がピンク色で、マヨネーズで和えるだけでSNS映えする「可愛いピンクのポテサラ」が作れるのが魅力です。

こうして、まだ知られていない野菜にスポットライトを当て、20代の若手農家がリアルを積極的に発信していくことで、いつか農業界全体に良い影響を与えられると信じて栽培しています。

--今回、多くが売れ残ってしまったことへのご感想を。

ぶんばい:最初は当然落ち込んだのですが、すぐに「ワクワク」に変わりました。味には絶対に間違いない自信があるのに、見た目の奇抜さや調理法が分からないという理由だけで敬遠されている。これは裏を返せば、「どうやってこの最高においしい芋を、多くの人に知ってもらうか」というチャンスを与えられた気がしたんです。

私はかなり楽観的でポジティブな性格なので、「じゃあどう見せよう、どう伝えよう」とすぐに前向きに動くことができ、結果的にピンチをチャンスに変えて、SNSを通じて多くの方に知っていただくことができました。

--ご投稿に対し、大きな反響がありました。

ぶんばい:とにかく、うれしかったです。最近のXは言い合いも多く、少し荒んだプラットフォームなのかなと身構えていたのですが…実際は全くの真逆でした。

デストロイヤーやノーザンルビーのことを知っていて「あれ、おいしいやつだ!」と絶賛してくださる方も多く、数え切れないほどのポジティブなコメントをいただきました。拡散してくださった皆様には、感謝の気持ちでいっぱいです。

実際にスーパーへ買いに行ってくださった購入報告や、「応援してます」という温かい言葉をたくさんいただき、「これからもっと頑張ろう!」と、SNSの優しい力に救われました。

   ◇   ◇

SNSユーザーからは

「特殊な野菜はうまかろうが一般人は冒険せず普通の無難な物を選ぶ  調理してみなければうまさが分からないし、まして家庭料理に求められていない  売り先を特殊で希少な野菜を欲しがっている相手にピンポイントで刺さる取引先を探したらヒットすると思う 貴方の自慢の野菜が売れますように」

「スーパー販売側ですが、売り込みに来たバイヤーに試食をもらったとき、とてもおいしかった。ただ店頭に数置くのは博打なんですよね…長いスパンでお店で試食を出せば売れるような気もしましたが、ジャガイモ試食ってコスパ悪いし自社内じゃ企画にも上がらない…おいしいのは間違いないのに難しいですね」

「一般的なじゃがいもじゃないんで、何の料理に使えるのか・どうやって料理するのかが分からないから敬遠されやすいんじゃないかなー。 見慣れないものは、簡単な紹介と料理方法の書いた紙とか作った方がいいって昔JAの講習で聞いた記憶」

など数々のコメントと、3万2000件を超える「いいね」が寄せられた今回の投稿。もし、スーパーや八百屋で真っ赤なじゃがいもを見かけたら、それは高品質の証拠。ぜひ多くの方に「デストロイヤー」「ノーザンルビー」の魅力を味わっていただきたい。

現在、ぶんばいさんの農園では「10品種じゃがいもリレー」を実施しており、今後もワクワクする品種を順次販売予定。また、最近はズッキーニ、夏場はナスをメインに栽培しており、JAファーマーズ高崎棟高店、コープ箕郷店、とりせん(箕郷店、群馬町店、菅谷店、豊岡店)、イオンモール高崎店(近日)に出荷している。

各種SNSでも精力的に情報発信しているので、ご興味ある方はぜひチェックしていただきたい。

(まいどなニュース特約・中将 タカノリ)