会社で働いていると、電話応対が発生することがあります。こちらから電話をかけるのは問題ないとしても、かかってきた電話の対応が苦手な人は多いのではないでしょうか。そんな電話対応の不安と成長を描いた作品『会社の電話が怖い新人が、感謝されるまでの話』(作:新月ゆき)がX(旧Twitter)に投稿されています。
物語の主人公・新月は、会社の電話対応に強い苦手意識を持っていました。電話が鳴るたびに「出たくない」と感じながらも、仕事だからと勇気を出して受話器を取ります。しかし、相手の会社名や部署名がどうしても聞き取れません。担当者からは「社名はきちんと確認してもらわないと困る」と言われるものの、何度挑戦しても上手くいかないのです。
難聴を疑ったこともありましたが健康診断では異常なく、プライベートでは特に困ることもないのに、会社の電話になるとなぜか聞き取れないのでした。他の人が普通にできることが自分にはできない状況が、新月をさらに追い詰めていきます。
例えば「電話の声が遠いようです」と聞き返せばいいと頭では分かっていても、彼女はそれすら怖いと感じていました。そんな恐怖から自信を失った彼女は、これが原因で退職届を提出します。
そんな作者に室長は、先輩社員・枝豆さんを紹介します。隣で電話応対を見学すると、枝豆さんの話し方は驚くほど聞き取りやすく、落ち着いていました。そして彼女は、「大切なのは、正しい情報を聞き取り、正しく伝えること」だと教えてくれます。
さらに、電話対応のコツは“もう1度聞くこと”だと話します。完璧に1度で聞き取ろうとするのではなく、必要であれば丁寧に確認すればいいと語ったのです。加えて彼女は「プロになりきること」も大切だといいます。机の上に鏡を置き、笑顔で話すことで自然と気持ちが切り替わり、自信を持って対応しやすくなるのだそうです。
新月はさっそく、そのアドバイスを実践してみることに。最初は会社名を聞き取れなかったものの、「お電話が少々遠いようです。もう1度会社名とお名前をお願いできますでしょうか」と落ち着いて聞き返すことに成功します。結果として正確な情報を聞き取り、引き継いだ社員から「ありがとう」と感謝されるのでした。
同作について、作者の新月ゆきさんに詳しく話を聞きました。
■苦手を克服する第一歩は“できない自分”を受け入れること
ー電話応対への苦手意識という、多くの新社会人が共感しやすいテーマを作品にしようと思ったきっかけを教えてください。
甥っ子が電話が苦手だと知りました。私自身の体験と克服方法を伝えたいと思い、漫画にしました。
ー会社の電話では聞き取れないのに、日常生活では問題なく会話できるという状況には、どのような心理的負担があると思われますか?
仕事をする責任もあると思います。会社と日常では、電話を取る事前情報の違いもあると思います。
ー自分で調べた対処法では「聞き返すこと」が大切だと分かっていても実践できなかった一方で、新月さんに言われた際には聞き返すことができていました。主人公にはどのような心境の変化があったのでしょうか?
ネット情報で調べたものの、ほかにも方法があるのではないかな?と少し期待もありました。しかし、先輩からのアドバイスで「聞き返すこと」が大切だと知り、「これしかないんだ!」と受け入れることができました。人とのコミュニケーションによる影響力は大きいです。
ー“できないこと”を克服するうえで、一番大切なことは何だと感じていますか?
電話対応だけでなく、初めてのことは慣れるまで時間がかかります。
それが当たり前です。その当たり前を受け入れることができたら、少し楽になります。それでもまだ苦しいと思うようだったら、人に相談してみると良いと思います。今は、AIに相談でしょうか。
(海川 まこと/漫画収集家)























