【「震災が故の出会い」大切に】
仮設住宅の七夕祭りで、高齢女性が書いたささ飾りの言葉が忘れられません。「震災が故の出会いを大切に」。その言葉を胸に今も活動しています。
阪神・淡路大震災当時は長田区に住んでいました。焼けた街の様子を見て、何かできることはないかと、仮設住宅の巡回相談員に応募しました。
会うたびに「ワシは死ぬ」と繰り返すお年寄りの話を泣きながら聞く。留守宅のポストに手紙を入れても読んでもらえない。私の問い掛けが、思うように届かない。もう、いっぱいいっぱいでした。
でも、相談員の活動が縁で、被災者やNPOを支援する「生活復興県民ネット」の情報誌の編集に関わることができました。8年半の間、被災者のお話をうかがったり講演を取材したり。多くの出会いを通して人が支え、支えられて生きていることを実感しました。
当時、私が苦労していた子育ても一人で頑張らなくていい。ボランティアを通してそう思えるようになりました。今は、取材で興味を持った子育て支援に携わっています。震災を機に出会った人たちとの縁を、これからも大切にしたいと思っています。(峰大二郎)
2014/5/20語る伝える(3)淡路高校教師・藤井紫央里さん(33)2014/6/19
語る伝える(2)星空案内人・鷲尾正則さん(60)2014/6/18
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寄り添い 支え合い(4)災害復興住宅生活援助員・梅原加代さん2014/5/22
寄り添い 支え合い(3)週末ボランティア代表・東條健司さん2014/5/21
寄り添い 支え合い(2)子育て支援NPO副代表・高田佳代子さん2014/5/20
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