【待ってる人がいる限り】
阪神・淡路大震災の時、燃える街を見ながら何もできなかった。その悔しさが活動の原点です。
最初に取り組んだのは炊き出しボランティアでした。でも数カ月もすると物資が行き渡ったからか、反応がよくなくなった。どうしようかと考えているうちに、「施す」と「施される」という立場が壁になっているような気がしたんです。それで始めたのが今の活動。被災者のお宅を訪問して話を聞かせていただく。それだけです。
震災以外の話題でもいい。生い立ちや戦争のことを話される方もいます。話すことで主役になってもらう。「施される」立場から、自分の尊厳を取り戻すきっかけになればと。
最初は仮設住宅、今は復興住宅を回っています。事前に予告チラシをまいて、何人かで一軒一軒、「お話を聞かせてください」と訪ねます。断られることも多いですよ。でも、震災から十数年たって初めてお会いして「来てくれてありがとう」と言われることもあります。訪問は24日でちょうど600回。自己満足だと批判されることもあるけど、待ってる人がいる限り勇気を持って続けようと思っています。
(中西幸大)
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