阪神・淡路大震災の発生から丸27年。市民26人が犠牲となった兵庫県明石市内で17日、追悼行事が行われた。新型コロナウイルスの収束が昨年に続いて見通せない中、震災の記憶を風化させまいと、今年も多くの住民やボランティアの姿があった。震災を経験していない子どもたちもろうそくの火に鎮魂の願いを込め、「1・17」を胸に刻んだ。(川崎恵莉子、有冨晴貴)
JR西明石駅南の仮設住宅跡地(明石市西明石南町1)では、追悼集会「未来に継ぐ志」が開かれた。夜明け前の暗闇にともった「1・17 BE HANAZONO」の文字を囲んで参加者約90人が輪になり、犠牲者に祈りをささげた。
追悼集会は震災20年の節目となった2015年から、地元のグループ「ボランティアはなぞの」が企画。新型コロナの影響で炊きだしは昨年に続き中止した。
今回は16日に近くの望海中学校柔道部員がろうそく約900本を並べる作業を初めて手伝い、追悼集会にも約10人が参加。地震発生時刻の午前5時46分、集まった住民らとともにともしびの文字の回りで輪をつくり、黙とうをささげた。
望海中3年の男子生徒(15)は「学校で阪神・淡路の勉強をしたことはあったが、日常生活の中で遠いものだった。参加して身近に感じられた」と話した。
同グループ代表の松本茂子さん(79)は「心はいつも神戸とともにある。次世代に記憶をつないでいくため、できる限り続けていきたい」と力を込めた。
集会では地元在住の真木美奈子さん(47)と奥田未記子さん(48)がクラリネットとフルートで「しあわせ運べるように」など3曲を演奏。早朝の町に響き渡った。
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