明石銀座通りのパン店「パン&デリ・デマージ」(兵庫県明石市桜町)がフードロスの削減を図ろうと、従来は処分せざるをえなかった生地の切り落とし部分などを利用し、ケーキを商品化した。リンゴやサクランボと合わせておいしくアレンジ。新たな看板商品の誕生だ。(有冨晴貴)
販売するのは、リンゴを使った「タルトタタン風デニッシュケーキ」と、酸味の強いサクランボを使った「サワーチェリープディングデニッシュチーズケーキ」。
クロワッサンのデニッシュ生地を成形するときに切り落とす部分や、焼き上がりを確認するためにカットしたクロワッサンそのものを使用。商品化を思いついた代表の白石文子さん(49)は「みんなで早朝から仕込んだものを、味は変わらないのに捨てるのは罪悪感があった」と動機を語る。
「食べた人が驚くようなおいしさとアレンジにしたい」と5カ月がかりで試行錯誤を重ねた。デニッシュ生地はバターを多く含むため、フルーツの爽やかさが合うと考え、ケーキに行き着いたという。
焼いた生地と煮詰めたフルーツなどを交互にぎっしりと敷き詰め、層状に重ねると「クロワッサンのサクサク感からは想像できないほど、濃厚な味わいと食感になった」。リンゴのケーキにはラムレーズンを混ぜ、サクランボのケーキにはチーズを載せて焼き上げる。いずれも冷凍して販売するため、半解凍の状態で食べればアイスケーキとしても楽しめるという。
白石さんは「今後は主力のベーグルでも商品化を目指し、フードロス削減に努めたい」と意気込む。
1カット486円(税込み)。デマージTEL078・913・3330
