兵庫県加東市発注の公共工事を巡る官製談合事件で、入札情報を漏らしたとして、官製談合防止法違反などの罪に問われた同市の元管財課長(56)=同市=ら男3人の初公判が29日、神戸地裁であり、元管財課長は起訴内容を認めた。
他の2人は、いずれも公競売入札妨害の罪に問われた加東市の建築会社元社長(48)=西脇市=と、同県福崎町の建築会社元社長(37)=同町。加東市の建築会社元社長は起訴内容を認め、福崎町の建築会社元社長は「価格情報を聞き出したことに関与していない」と主張した。
起訴状によると、加東市の元管財課長は同課長だった2020年6月、旧滝野庁舎改修工事の制限付き一般競争入札で、最低制限価格を加東市の建築会社元社長に漏らし、工事を落札させたとされる。同元社長は老朽水道管更新工事でも、最低制限価格算出の基準となる価格を別の市課長から聞き、福崎町の建築会社元社長に伝え、落札させたとされる。
検察側は冒頭陳述で、元管財課長は加東市の建築会社元社長らに世話になっており、通話アプリで最低制限価格を送信したと指摘。福崎町の建築会社元社長は、加東市の元建築会社社長から聞いた工事の設計金額が市職員から教えられたものと思いつつ、これを使って入札金額を決めたと説明した。