神戸市灘区の摩耶ロープウェーで2日、ゴンドラの乗客6人が体調不良を訴えた異臭騒ぎで、兵庫県警灘署は17日、異臭の原因物質について、熊よけスプレーなどに使われる成分「カプサイシン」だとする分析結果を明らかにした。
同署によると、乗客の衣服などに付着した液体を分析したところ、唐辛子に含まれるカプサイシンが検出されたという。一部の乗客がスプレーの噴射音を聞いており、同成分が含まれるスプレーが噴射されたとみられるという。
異臭騒ぎは2日午後3時ごろ、摩耶山上の「星の駅」でゴンドラに乗り込んだ25人が刺激臭を感じて下車。6人が体調不良を訴えたが、いずれも軽症だった。同署は、乗客が持っていたスプレーが誤って噴射された可能性もあるとみて、持ち主の特定を進めている。
辛み成分のカプサイシンは、護身用の催涙スプレーなどにも使われる。日本護身用品協会(福岡県)によると、国内の熊よけスプレーなどには誤噴射を防ぐ安全ピンやロックが付いており、「持ち主の意思に反して簡単に出ることはない」という。
同協会の担当者は「もし安全ロックが外れた状態で持っていたら所有者の責任。危険物なので管理を徹底してほしい」と話す。