たつの市出身で東京を拠点に活動する歌手多田周子さんの新作は「風がはじまる場所」。歌うこともままならなかったコロナ・パンデミック(世界的大流行)の時期に実感した思いを詩に込めた。失望せず、諦めず、「辛(つら)い日々は君に出会うプロローグ」。生きる極意をちりばめた歌のテーマは「風」。2015年のメジャーデビュー曲「風の中のクロニクル」の続編だ。「人と会える幸せをかみしめ、心に爽やかな風を吹かせて機嫌よく生きていこう。それがコロナ禍を経た実感」と話す。(特別編集委員・加藤正文)
県立龍野高校を経て京都市立芸術大声楽科卒。地元ゆかりの「赤とんぼ」などの童謡や、奄美民謡を取り入れたオリジナル曲「なつかしゃや」(18年)などを歌ってきた。