神戸・北野に逃れてきたユダヤ人を捉えた安井仲治の作品=神戸市中央区脇浜海岸通1、兵庫県立美術館
神戸・北野に逃れてきたユダヤ人を捉えた安井仲治の作品=神戸市中央区脇浜海岸通1、兵庫県立美術館

 戦前の写真界をリードした兵庫ゆかりの写真家、安井仲治の20年ぶりとなる回顧展「生誕120年 安井仲治-僕の大切な写真」(神戸新聞社など主催)が16日、神戸市中央区の兵庫県立美術館で始まる。15日、内覧会が開かれ、戦前の朝鮮人の集落や神戸・北野に逃れてきたユダヤ人の写真など、社会を独自の視点で切り取った205点が公開された。

 安井は1903(明治36)年、大阪市生まれ。宝塚と芦屋で暮らし、アマチュア写真団体「浪華写真倶楽部」に所属して京阪神を中心に活動した。芸術表現としての写真と向き合い続けたが、42(昭和17)年に38歳の若さで亡くなった。