黒川開拓団として満州に渡り、性暴力の被害にあった女性たち((C)テレビ朝日)
黒川開拓団として満州に渡り、性暴力の被害にあった女性たち((C)テレビ朝日)

 太平洋戦争末期から敗戦直後、旧満州(中国東北部)で「性接待」という名の性暴力があった。被害に遭った女性らの証言でその実態を明らかにするドキュメンタリー映画「黒川の女たち」が19日~8月1日、神戸市中央区元町通4の元町映画館で上映される。監督でテレビ朝日社員の松原文枝さんは「残していかなければという責務を感じた」と話す。(安藤真子)

■19日から元町映画館で上映

 日本の敗戦が色濃くなる中、日ソ中立条約を破棄したソ連軍は満州に侵攻。関東軍は撤退していた。岐阜県黒川村(現白川町)からは黒川開拓団として650人余りが渡っており、現地の人々からの襲撃を恐れた団は生きて帰国するため、ソ連軍に助けを求めた。彼らは見返りとして性接待を求め、数えで18歳以上の未婚女性15人が差し出された。乱雑に並べられた布団で暴行を受けた女性たちは「お母さん、お母さん」と泣きながら、互いに手をつなぎ、耐えたという。