三菱電機と同社の自動車機器子会社の三菱電機モビリティ(東京)、トヨタ自動車系のアイシン(愛知県)が、自動車の電動化製品を手がける合弁会社を設立することで合意した。27日に神戸新聞の取材に応じた三菱電機モビリティの加賀邦彦社長との主なやりとりは次の通り。
-新会社設立の背景、意図は。
「(自動運転や電動化などの新技術を意味する)CASE(ケース)の時代を迎え、先を見通すことが難しい不確実性は高まる一方、成長分野であることは確実。変化に対応していくには、自前主義では限界があると考えてきた」
「これまでエンジン周辺の電装機器をやってきたが、電動化になると(電装機器自体が)心臓部になる。自動車メーカーが今後どのように展開し、われわれはどのような技術を準備すればいいのか、より深く知らなくてはいけなくなる」
「アイシンはトランスミッション(変速機)のギアというキーパーツを手がけ、車のことをよく知っている。彼らと一緒に開発することで、電動化事業で注力するポイントや気を付けることを理解し、力をつけていきたいと考えた。われわれの強みとするパワーエレクトロニクス技術(電力を効率的に制御・供給する技術)も生かせる」
-中国勢の台頭で電気自動車(EV)などは低価格競争が進む。コスト減も背景にあるのか。
「結果的にコスト減にはなるだろうが、価格競争にはあまり入り込まず、強みである高効率で信頼性の高さを評価してもらえる顧客をつかんでいきたい」
-新会社が手がける製品は。