4月4日告示、11日投開票の兵庫県宝塚市長選で立候補を予定する4人が14日、同市のコミュニティーFM「エフエム宝塚」(逆瀬川1)で意見を交わした。コロナ禍で企画された初の特別番組。それぞれ市の重点施策や自身の夢、中川智子市政の評価など7テーマを語った。放送は21日午後3時、7時10分▽22~25日午後1時▽26日午後1時、10時10分。(西尾和高、竹本拓也)
弁護士山崎晴恵氏(51)は、弁護士会のイベントで中川市長と出会い、後援会から立候補を勧められたと説明。「支援が必要な人にしっかりと手を差し伸べ、不要不急の施策の見直しを進める」とし、再生可能エネルギーなどで新産業を生み出したいとも語った。
県議森脇保仁氏(68)=自民=は、政治家として育ててくれた古里を元気にするために立候補を決意したとした。中川市政で財政、教育、商工、観光業が低迷し、「市の税収額は優等生なのにまちの活力が近隣市に比べて劣った」として行財政改革の必要を訴えた。
元自治会役員末永弥生氏(54)は「財政問題など市の現状を市民に明確に伝えたい」と強調。中川市政で予算が偏り、小学校や道路、ごみ処理場が老朽化したとし、財源の確保を優先し、いじめ問題の解決、若い世代の出産促進、西谷地区の開発も進めるとした。
県議門隆志氏(53)=日本維新の会=は、国や県、市の役割分担を明確にし、組織をスリム化して収入を増やし、職員のモチべーションを高めたいとした。西谷地区の広大な山を活用し、バーベキュー場を整備するなど人を呼び込む施策の必要性も呼び掛けた。
<少子高齢化についての考えは?>
■山崎晴恵氏
新産業を創出し、働き盛りを集めたい。同時に市民を取りこぼさないようセーフティーネットをしっかり張る
■森脇保仁氏
県議会で育児支援のための現金給付を提案したが進まなかった。各地の事例を参考にさまざまな手だてが必要
■末永弥生氏
妊婦の健康診断への助成や、学生向けに独自の奨学金制度を創設するなど、若者への定住促進策が急がれる
■門 隆志氏
保育所と放課後児童クラブの不足が課題。都会に出た市民が定年や結婚の時に戻ってきたくなるまちにしたい
<重点施策は?>
■山崎晴恵氏
新型コロナ対策のため、適切に医療体制を整備し、市内事業者の需要を喚起する。情報公開と共有を進める
■森脇保仁氏
教育再生。学校で起きている問題の背景には組織の機能不全がある。教頭のなり手不足の問題にも対処したい
■末永弥生氏
市内約7割の小学校が築40年以上の建物。市民の安心のため、小学校と道路、ごみ処理場の老朽化を改善する
■門 隆志氏
阪神北地域の個々の病院の役割と地域医療の在り方を整理する。デジタル化の推進により職員の生産性を上げる
<行財政改革についての考えは?>
■山崎晴恵氏
不要不急の施策を見直して効率化を進める。西谷地区での木質バイオマス発電事業など新しい産業を創出する
■森脇保仁氏
税収はあるのに基金が枯渇している。「行財政危機宣言」をして市民に実情を伝え、専門委員会で議論していく
■末永弥生氏
支出額の大きい民生費と人件費を削減し、財源を確保する。市庁舎建設を見直し、市長の報酬カットも実行する
■門 隆志氏
市職員数の多さが財政難の一因だ。採用抑制のほか、武庫川河川敷の有効活用など収入を増やす努力が必要
<あなたの夢は?>
■山崎晴恵氏
少数派に手を差し伸べて支える市長の姿勢に共感した。市民による市民のための市政を維持し、未来へつなぐ
■森脇保仁氏
学校が子どもたちの笑顔であふれること。大人は子どもたちを応援し、良き未来をプレゼントする責任がある
■末永弥生氏
歌劇や手塚作品など宝塚の芸術文化を生かしたい。若者が世界へ羽ばたき、外からも定住してもらえるまちに
■門 隆志氏
子どもたちに基礎学力をしっかり提供し、勤勉さを取り戻す。増加する不登校の児童の学力保障にも取り組む
<中川市政の評価は?>
■山崎晴恵氏
福祉に熱かった。生活が苦しい時代に市民ニーズに適合していた。ただ、経済対策が見えにくかった面はある
■森脇保仁氏
「停滞」の一言。財政の硬直化を招き、商工業や観光が低迷した。重度障害者を支えるための施策は評価したい
■末永弥生氏
教育費と土木費を極端に削り、必要なところにお金が回らなかった。未来を担う子どもたちへの責任は重い
■門 隆志氏
東京五輪の聖火リレーは誘致できたはず。市長は費用面だけを理由にやめた。好機を逸した影響は大きい