梅雨時に空へ向かってまっすぐ伸びるタチアオイが、兵庫県西宮市樋之池町の住宅街にある畑で花を咲かせている。鮮やかなピンクや赤の大輪が、じめじめした蒸し暑さを忘れさせてくれそうだ。
アオイ科の観賞用多年草で、高さが2メートルを超えるものもある。花は梅雨入りの頃に下から咲き上がり、てっぺんに達する頃に梅雨が明けるとされる。
畑を所有する竹内芳夫さん(70)の母美代子さん(91)が20年近く前に小さな苗を数株植えたのが最初。種が落ちて次第に増え、現在は70株ほどになった。
阪急苦楽園口駅から西へ延びる通り沿いで往来が多く、「きれいな花を見せてくれてありがとう」などと声をかけられることもしばしば。竹内さんは「梅雨でふさぐ気持ちがぱっと明るくなる花です」と目を細めていた。(吉田敦史)